ぷよぷよ戦術論 基礎知識編

基礎知識編

例によって机上論

ぷよぷよの戦術論を語る上で連鎖が与えるおじゃまぷよというのは重要である。
そこで、予め以下の2点について知っておきたい。

  • どのような連鎖が高火力か?
  • どのような連鎖が高効率か?
この2つは似て非なるものである。
火力とは連鎖が与えるおじゃまぷよの個数のことである。連鎖の威力とも言える。
効率とは、上記定義の火力に加え、連鎖に使用したぷよの個数、さらに発展してツモ数まで考慮する。

おじゃまぷよについて


小ぷよ大ぷよ岩ぷよ
1個1段(6個)5段(30個)

 = 
 = 

以降の記述を理解するために、おじゃまぷよの個数の大雑把な相場というものを頭に入れておいたほうがいい。
全て4個消しの場合の連鎖の強さを列挙する。


単発なし
2連鎖
3連鎖
4連鎖
5連鎖
6連鎖

2連鎖はおよそ1段、3連鎖はおよそ2段、4連鎖はおよそ5段というくらいの認識で良いと思われる。

どのような連鎖が高火力か?

連鎖には点数計算ルールが決まっており、その点数に応じておじゃまぷよの個数が決まる。
この点数計算ルールの大前提として、連鎖数が多いほど高得点である。
そしてもう一点だが、連鎖の最後に消えるぷよが強いほど連鎖自体が高火力になる。
この事実により、同時消しを活用することにより、連鎖数が短くても強い連鎖というものを組むことができる。
点数計算はプレイ中に計算できるほど単純なものではないため、有名どころについてはあらかじめ抑えておくと見通しが良い。

連鎖の最後に消えるぷよとは?

下表は16個のぷよで構成された連鎖と、それぞれの連鎖の最後に消えるぷよの表である。
全て4個消しであり、4連鎖中にぷよが消える個数を表して4-4-4-4と表記することにする。
3連鎖ダブルは3連鎖目が2種同時消しになっており、4-4-(4/4)と表記することにする。
同様に、2ダブ3連鎖は2連鎖目が2種同時消しの連鎖で4-(4/4)-4と表せる。
1ダブ3連鎖は1連鎖目が2種同時消しの連鎖で(4/4)-4-4と表せる。


4連鎖3連鎖ダブル2ダブ3連鎖1ダブ3連鎖
赤4個赤4個と青4個赤4個赤4個

上表において、3連鎖ダブルは連鎖の最後である3連鎖目に赤青2色同時消しがある。
これによって、火力が4連鎖相当にまで引き上げられる。
しかし、2ダブ3連鎖は2連鎖目に青黄2色同時消しがあるものの、肝心の連鎖の最後である3連鎖目に消えるのは赤4個のみである。これによって一気に火力が下がってしまう。
1ダブ3連鎖に至っては普通の3連鎖とほとんど火力が変わらない。
(参考: 全て4個消しの3連鎖は)
以上より、ぷよは後半に消したほうが強いため、連鎖の最後に消えるぷよが肝心である。

消えるぷよの強さとは?

連鎖で消えるぷよの強さは連結数と同時消しの場合はその色数で決まる。

連結数とは?


4-4-4-4の4連鎖4-4-5-4の4連鎖4-4-4-5の4連鎖4-4-4-6の4連鎖

4-4-4-4の4連鎖は連結が足されていない最小の4連鎖である。
4-4-5-4の4連鎖は、3連鎖目に連結が1個足され5個消しになった4連鎖である。
4-4-4-5の4連鎖はより後半に連結が足されているため、若干火力が高くなっている。
6連結になると更に火力が上がり、最小の4連鎖と比べると2段分の差がある。これは3連鎖分に相当する差である。

色数とは?

下表に分かりやすい具体例を用意した。
1色消しのほうは段差を付けるために青や緑を置いているが、これらは消えることはない。
したがって、どれも消える際の個数が同じ4-(4/4/4)型の2連鎖トリプルである。


2連鎖トリプル(3色)2連鎖トリプル(2色)2連鎖トリプル(1色)

上表はすべて2連鎖目に3種4個消しのある2連鎖トリプルである。
ただし、消える3種の色が(赤青緑)、(赤青赤)、(赤赤赤)というように色数が異なる。
1色消しの2連鎖トリプルに至ってはただの3連鎖と火力が等しい。
したがって、同色を含む同時消しは火力が下がってしまうという事実が分かる。
以降では、単純にn連鎖ダブルやn連鎖トリプル、n連鎖クアドラプルと言った場合、全て色が異なることを前提とする。
対戦では4色しかないためクインティプル以降は存在しない。

同色を含む場合は下表から分かる通り、別の場所で同時消しとして消すのではなく、連結させてしまうと良い。


2連鎖ダブル2連鎖ダブル(1色)2連鎖8連結
5-(4/4)の2連鎖ダブルと5-8の2連鎖の違いが良く分かる。

同時消しの火力

ここまで見てきたように、連鎖の火力は基本的に連鎖数と連鎖の最後に消えるぷよの強さで決まり、消えるぷよの強さとは、連結数色数で決まるということが分かった。

今まで明記していなかった重要な事実として、連結数は、4から5に増えた時の火力の上がり幅は、5から6や6から7の上がり幅と比べて非常に大きいという点が挙げられる。


上図は4-(4/4/4)の3連鎖トリプルである。これを基に、2連鎖目の連結を3個足してみる。
すると、個数の消え方は3通りある。これを表したのが以下の表である。


4-(4/4/7)4-(4/5/6)4-(5/5/5)

4-(5/5/5)が一番強いことが分かる。
これは、5連結が強いからではなく、4連結が弱いからであるという点に注意しよう。
得点計算のルールによって5連結以上に重みづけがなされているからだ。

これは同時消しでない連鎖とは異なる傾向を示している。
以下は同時消しのない4連鎖における連結数を変えた場合の表である。


4-4-4-74-4-5-64-5-5-5

連鎖の最後に消えるぷよが強いほど火力が上がるという基本に立ち返ると、7連結が強くなるのは必然である。
ここで、4-(5/5/5)の2連鎖トリプルと4-5-5-5の4連鎖の火力がほぼ等しいことに注意しよう。

1色消しで連結を足すのは容易ではない。
上記の7連結を見れば分かる通り、暴発しやすい形を取らなければ連結数を稼ぐことができない。
ただし、多色同時消しでは各色に連結を分散させることができるので、比較的容易に連結を足すことができる。

したがって、連結を足すのには大きな制約があるという前提に立つと、n連鎖m色同時消しが(n+m-1)連鎖に勝るとまでは言わずとも、匹敵する火力を出すとも考えられる。

極端な例を挙げよう。4-(6/6/6/7)である。

7連結というのは3箇所にぷよを分離しないといけないため、制約が大きい。
下図左は7連結にできない。下図右は7連結に成功している。

しかし、8連結以上となると、4-4に分けて連鎖数を稼ぐのが一般的だろう。


4-4-4-94-4-4-4-5

ここまで、極端な例の考察をしてきたが、実際には、n連鎖m色同時消しは火力的に(n+m-1)連鎖に匹敵すると考えることができる場面は多いと推測される。
その際に頭の片隅に入れておくべき事項は、4個消しは弱いという事実である。

どのような連鎖が高効率か?

単純に考えると、連鎖に使ったぷよ1個あたりのおじゃまぷよの量が効率と言える。
例として全て4個消しのn連鎖についての表を以下に載せる。


A: 連鎖数B: 使用したぷよの個数C: おじゃまぷよの個数D: 仮効率 (C/B)
単発400
2連鎖850.63
3連鎖12141.17
4連鎖16322
5連鎖20693.45
6連鎖241245.17
7連鎖281977.04
8連鎖322889
9連鎖3639811.06
10連鎖4052613.15
11連鎖4467215.27
12連鎖4883717.44
13連鎖52102019.62
14連鎖56122121.8
15連鎖60144024

基本的に、連鎖数が大きいほど効率も高い。

次に、n連鎖と(n-2)連鎖トリプルを比較する。
n連鎖については最後の3連鎖の連結が5、(n-2)連鎖トリプルについては同時消しが5/5/5とする。


A: 連鎖B: 使用したぷよの個数C: おじゃまぷよの個数D: 仮効率 (C/B)
4-5-5-519442.32
4-(5/5/5)19432.26
4-4-5-5-523883.83
4-4-(5/5/5)23652.83
4-4-4-5-5-5271545.7
4-4-4-(5/5/5)271084
4-4-4-4-5-5-5312427.81
4-4-4-4-(5/5/5)311956.29
4-4-4-4-4-5-5-5353479.91
4-4-4-4-4-(5/5/5)353008.57
9連鎖3947112.08
7連鎖トリプル3942410.87
10連鎖4361214.23
8連鎖トリプル4358513.6
11連鎖4777216.43
9連鎖トリプル4772515.43
12連鎖5195118.65
10連鎖トリプル5190417.73
13連鎖55114720.85
11連鎖トリプル55110020
14連鎖59136223.08
12連鎖トリプル59131522.29
15連鎖63159525.32
13連鎖トリプル63154824.57

こうしてみると、赤玉1個分程度、n連鎖のほうが火力が高いことが分かる。
使用したぷよの個数が変わってくるため上表では未掲載だが、火力的には以下の傾向が成り立つ。
...-4-5-5-5 > ...4-4-4-6 > ...-4-(5/5/5) > ...-4-4-4-5

例として10連鎖と8連鎖トリプルを比較してみよう。
最下段はおじゃまぷよの個数である。


...-4-5-5-5...-4-4-4-6...-4-(5/5/5)...-4-4-4-5
612592565559

しかし、これだけで効率を語るのは不十分である。
連鎖中は操作ができない。つまり、連鎖には拘束時間がある。
8連鎖は10連鎖よりも連鎖の終了が早いため、拘束時間も短い。つまり、セカンドを組める。

この点を考慮に入れるため、"連鎖に使ったぷよの個数"を拡張する。
連鎖自体に使ったぷよの個数に加えて、連鎖の拘束時間中に本来ツモれたはずのぷよの個数も加算する。これを連鎖のコストと考える。
1手あたり2個のぷよをツモれることに注意する。

連鎖時間コスト = ((連鎖の拘束時間) / (1手あたりにかかる平均時間)) * 2
連鎖のコスト = (連鎖に使ったぷよの個数) + (連鎖時間コスト)
効率 = (おじゃまぷよの個数) / (連鎖のコスト)

これに関して考察するために、こちらのデータを借りる。

ツモ数は連鎖にかかる時間を1手あたりに積むのにかかる平均時間で割れば算出できる。
1手あたりに積むのにかかる平均時間はプレイヤーの操作力判断力、そしてぷよを置く高さによって変わる。
操作力や判断力は総称して実力と呼んでいいだろう。
ここでは、最下段まで組むのにかかる時間0.8秒というのを平均時間として採用する。
実際には最下段よりも高い位置にぷよを積むはずであり、理論的にはこの値よりも多くツモれるはずである。
つまり、この0.8秒という仮定では仮に両プレイヤーの実力が同等だったとしても、高さの要因により、連鎖時間コストが低く見積もられることになる。


連鎖数時間(s)ツモ数(手)連鎖時間コスト(個)
単発0.500
2連鎖1.824
3連鎖3.136
4連鎖4.4510
5連鎖5.7714
6連鎖7816
7連鎖8.31020
8連鎖9.61224
9連鎖10.91326
10連鎖12.21530
11連鎖13.51632
12連鎖14.81836
13連鎖16.12040
14連鎖17.42142
15連鎖18.72346

上表によれば、10連鎖と8連鎖では両者の実力が同等だとして、少なくとも6個差つくと読める。つまり、8連鎖を撃ったほうは連鎖時間の差で少なくともぷよ6個をツモれる。

連鎖時間コストを考慮して、全て4個消しのn連鎖について効率を計算したのが以下の表である。


A: 連鎖数B: 使用したぷよの個数C: 連鎖時間コストD: 連鎖コスト (B+C)E: おじゃまぷよの個数F: 効率 (E/D)
単発40400
2連鎖841250.42
3連鎖12618140.78
4連鎖161026321.23
5連鎖201434692.03
6連鎖2416401243.1
7連鎖2820481974.1
8連鎖3224562885.14
9連鎖3626623986.42
10連鎖4030705267.51
11連鎖4432766728.84
12連鎖4836848379.96
13連鎖524092102011.09
14連鎖564298122112.46
15連鎖6046106144013.58
やはり連鎖が大きいほど効率が良いのは変わらない。

結果が変わるのは同時消しが絡む場合である。
同時消しによって、連鎖時間コストを短縮したまま高火力の連鎖を撃つことができる。
先述のn連鎖と(n-2)連鎖トリプルと同じ比較をしよう。


A: 連鎖B: 使用したぷよの個数C: 連鎖時間コストD: 連鎖コスト (B+C)E: おじゃまぷよの個数F: 効率 (E/D)
4-5-5-5191029441.52
4-(5/5/5)19423431.87
4-4-5-5-5231437882.38
4-4-(5/5/5)23629652.24
4-4-4-5-5-52716431543.58
4-4-4-(5/5/5)2710371082.92
4-4-4-4-5-5-53120512424.75
4-4-4-4-(5/5/5)3114451954.33
4-4-4-4-4-5-5-53524593475.88
4-4-4-4-4-(5/5/5)3516513005.88
9連鎖3926654717.25
7連鎖トリプル3920594247.19
10連鎖4330736128.38
8連鎖トリプル4324675858.73
11連鎖4732797729.77
9連鎖トリプル4726737259.93
12連鎖51368795110.93
10連鎖トリプル51308190411.16
13連鎖554095114712.07
11連鎖トリプル553287110012.64
14連鎖5942101136213.49
12連鎖トリプル593695131513.84
15連鎖6346109159514.63
13連鎖トリプル6340103154815.03

上表から、n連鎖よりも(n-2)連鎖トリプルの効率について面白い知見が得られる。
まず、nが小さいとき、具体的に言うと9以下のときである。
この場合n連鎖のほうが効率が良いという結果が得られた。
しかし、nが大きいとき、具体的に言うと10以上のとき、(n-2)連鎖トリプルのほうが効率が良い。

つまり、10連鎖以上の本線勝負になったとき、セカンド込みで考えると(n-2)連鎖トリプルのほうが有利と考えられる。

具体例で実際の場面を考えてみよう。
末尾が-4-5-5-5の10連鎖 vs 末尾が-4-(5/5/5)の8連鎖トリプルについて考える。
連鎖に使用したぷよの個数は等しい。異なるのは連鎖時間コストである。

両者が同時に発火したとする。
すると、両者の連鎖が終了した時点で、10連鎖側のほうが612 - 585 = 27個のおじゃまを送ることができる。
しかし、連鎖の終了は8連鎖トリプルのほうが早く、10連鎖の連鎖終了までに少なくとも24個のぷよをツモっている。これは4~6連鎖相当である。
4連鎖だとしてもおじゃまぷよ52個分であり、8連鎖トリプル側が明らかに有利だ。

ただし結局先撃ちは厳禁である。
8連鎖の連鎖時間コストは24であるため、先撃ちしてしまうと10連鎖側が24個のぷよを使って伸ばせるからである。
仮に2連鎖しか伸ばせなかったとしても、さすがに8連鎖トリプル vs 12連鎖では負ける。

飽和に近く、使用したぷよの個数が近くなるような場面であれば連鎖終了の早い同時消しに分があると結論付けられる。

戦術への応用

これまでの知見を戦術に応用する。

本線において、ぷよの使用個数が等しい連鎖では、連鎖の最後が同時消しであるマルチのほうがセカンドまで含めると効率面で有利である。
しかし、フィールドが飽和しない限り、先撃ちした側がぷよの使用個数で不利になるため、先撃ちが有利になる場面というのはレアケースである。
したがって、本線がマルチであるかどうかが戦況に影響することは少ないと考えられる。

ただし、同時消しは連鎖の最後に来なければ威力が激減してしまう。この制約は、最初に同時消しを作る場合、連鎖の終点が決まってしまうというデメリットになる。

上図で本線となると、赤黄緑の同時消しが事実上の連鎖の終点となる。(連鎖尾を足しても然程火力の向上を望めない。)
これはマルチ戦術の欠点と言える。

2連鎖前後の小連鎖による催促や対応でも、連鎖時間の短いイバラや2ダブや2トリを使うことは有利であると考えられる。
これは、連鎖終了までの時間短いことにより、相手が対応するための時間が少ないこと、連鎖拘束時間が短いことによってツモ的に有利であることが挙げられる。

次回は今回の知見から4つの戦法について考察したい。



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